鈴の笑い声としみじみラーメン

取材こぼれ話
お店の顔がすでに安心して入ることができる

飲み屋街にそっと佇む甘味処の愛すべきラーメン。そんな一杯を作ってくれる女将さんに逢いに行かれてはいかがでしょうか?

 

2015年11月20日取材 【甘味処 美松】船橋

甘味処 美松さんが店舗を構えている通りは船橋でも有数の吞ん兵衛スポットで、その名は「仲通商店街」。その通りを歩いていて目に付くこの【甘味】という文字がかなり異彩を放っているわけです。表玄関の手前に置いてある食品サンプルを見てもそうでしょう。

お店の顔がすでに安心して入ることができる

女将さんにお話を聞いたところ最初は甘味だけで商売をす るつもりだったそうなんですが、お腹を空かせてお店を訪れるお客さんが段々と多くなっていったそうです。メニューにお にぎり、おでんと増えていき、ついにはラーメンを出すことになったと。

店舗前に置かれている食品サンプル

素材の話になると奥が深くなってくるインタビュー

「うちの旦那がね、ラーメンやりたいって言い出したのよ!」当時を振り返りながら女将さんはカラカラと綺麗な声で笑いながら話してくれました。ラーメンならすぐに出せると思っていた女将さん。いざ作ってみると…。「これが、意外に大変だったのよ!」それでも生真面目な性分から丁寧な仕事で生まれた「特製ばか麺」は美松の看板メニューであります。

食べ方にはかなり気を遣う記者T

さてこちらのらーめん、〆にはもってこいの味だと思いますがそれ以外に目を引いてしまうのがおでんのメニュー。しかも正真正銘のおでん鍋も鎮座しております。本編にも書いてありますがらーめんに入っている煮玉子はこのおでんネタのひとつです。お酒(カップ酒)や焼酎の文字が目に入ってしまったら、吞ん兵衛はもう頼まずにはいられないでしょう?

奥に身構えているおでん鍋。蓋をあけて撮影すればよかったと大後悔!!!

お店と同じ名前のボトルが…

おでんは、だいこん、はんぺん、こんぶ、こんにゃく、ちくわ、ちくわぶ、たまご、つみれ、すじ、がんもどき、イカ巻き、ごぼう巻き、さつま揚げ、厚揚げです。一皿5種選んで400円。単品でも頼むことができます(1個80円)。 ビーフカレーもありますので、こいつを日本酒にあてる…なんてつわものもいるかもしれませんぞ。その昔、作家の池波正太郎氏も馴染みの洋食レストランにて帆立貝のコキール(いわゆるグラタン)を日本酒、しかも燗酒で楽しんでおられたそうですから。

店内の装飾品もどこか粋で年期が入っているのだ

それからの美松さんのラーメンを〆にいただくのも、中々良いではないか!と一人想像して興奮してしまうのです。ちなみに特製ばか麺にのっているアサリですが、最初は購入した佃煮状態の物をそのままのせていたのでが「スープの味が塩からくなってしまう」という理由で現在の自前で煮るというところに落ち着いたそうです。

最近、この冷やタンというのもあまり見なくなったなあ

いずれ女将さんの楽しいお話を聞きながらおでんを肴にお酒をのみ、最後にここのラーメンで〆て帰る、という作戦を実行してみたいと心に強く誓う記者Yなのでありました。

昭和の佇まいがそのまま残る美松さんの記事は【船橋三代が愛する甘味処のラーメン『甘味処 美松』】にてご覧になれます!

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記者Y

編集/制作とイラスト描きを生業とするラーメン偏愛親父。最近は歳のせいか淡麗系の醤油味スープを飲んでは【ゔぁ〜〜〜…】とうめき声を上げている。ラーメン記事では動画撮影と編集を担当。